青少年福祉センターについて
理事長挨拶
創始者長谷場夏雄が昭和20年代の後半、中学を卒業すると児童養護施設を退所し、帰る家の無い戦災孤児が住み込み就労をしている事実を知り、彼らの為に住む場所を提供しつつ、働いて社会的自立を目指すための家を作ろうと始めたのが当法人の始まりです。多くの心ある方々からご寄附を頂きつつ事業を続けた結果、行政からも認められ“自立援助ホーム”という言葉ができ、行政からの支援も受けられるようになりました。「社会に育てられた子ども達が、少しでも社会で自立していかれる子どもを育てたい」という熱い思いを「良い子を育て、次世代の担い手を育む」と言う法人理念に表しました。
現在では、100名近くの子ども達が3つの自立援助ホーム、2つの中学・高校生のみの児童養護施設にて、職員と寝食をともにしております。1人1人の職員が、縁あって入所してこられた子ども達に寄り添い、社会的自立ができるようにと日夜努めています。と同時に、アフターケアの一環として法人で主催する成人式にて、お世話になった方々をお招きして一緒に祝い、各事業所にて退所した子ども達を手作りの料理等で迎える集いを催し、彼ら彼女らの実家としての役目を果たしていこうと努めてもおります。
私も、家庭や学生時代に培った奉仕の精神を大事にし、“してあげるのではなく、やらせて頂く”という気持ちを大切にして、役職員と共に努めております。そして、ご縁を頂いた全ての皆様が関係を持てて良かったと思って頂ける法人としていきたいと思っております。これからも多くの皆様のご支援ご指導を仰ぎつつ専心努力致しますので、お心にかけて下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。
荒船旦子
経営方針
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利用者のために
利用者の意向を十分に尊重し、権利擁護を推進し、安心・安全を担保します。
業務の標準化と職員の資質向上を図り、利用者の立場に立ったサービスを実現します。 -
職員の為に
誇りをもって働ける職場環境づくりを役員、職員一丸となって目指します。
役職、役割、権限の明確化を図り、組織内の意思決定の流れ、説明責任、公平性、公開性、透明性を担保し、立場に応じ役員、職員の業務遂行がなされるよう努めます。 -
健全な経営
財務情報やサービス情報等、積極的に情報公開し、透明性を推進します。
地域福祉を積極的に推進し、地域社会と協働し、地域社会と共生に努めます。
センターの基本理念
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法人のはじまり
終戦後、18歳だった長谷場夏雄は両親を失い満州より弟を連れて引き揚げてきました。弟を守るために、初めて就いた職業は、戦災孤児で溢れる養護施設の指導員でした。
これが半世紀以上に亘る児童福祉の道を志す第一歩となりました。当時は、義務教育を終えると住み込み就職が殆どでした。
しかし、子ども達は仕事に躓くと住む所を失い、戻る所もありませんでした。「先生、僕たちの家を作ってよ」と懇願され、四畳半一間を借り上げ、共同生活を始めたのがこの法人の始まりです。
長谷場は、年齢的に一番困難なそして一番大切な時期の児童の養護をすることへの挑戦であるとの思いで、この事業を始めました。
「この社会を今よりもほんのちょっとだけでも良い、明るいものにしようとしている事だと思っている」「私たちの仕事は、一人でも多くの少年少女達に希望をつなぎ、愛する日本のために、これからのより良い社会をつくるために、良い子を育てる」と自著「かけがえのないあなたへ」で述べております。
そして青少年福祉センターは長谷場と共に、前輪が「研究」と「実践」、後輪は「自助努力」と「後援者」のブルドーザーという思いで進んでまいりました。
日本で初めて自立援助ホーム(新宿寮)を開設し、法制度の無いところから家庭に恵まれない子どもたちを支援し続けてきました。創設者 長谷場 夏雄
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創始者長谷場夏雄の信条
良い子とは、他人がして欲しいことをし、他人がして欲しくないことをしないこと。
子ども達が持っている宝石のような心の優しさや良さを見いだし、育ててやること。
知育ではなく徳育で、良い子に育てること。
教えるのではなく、子どもの気持ちを聞く、とにかく聞くこと。
子どもを認め、尊敬し、心の底から褒めること。
利用者の最善の利益を追求すること。
幾つになっても勉強すること。
本を読むこと。
いつも働くこと。
夢を持つこと。
負の相続を食い止めること。
センター概要
設置主体 | 社会福祉法人青少年福祉センター |
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創設 | 昭和33年(1958年) |
理事 | 荒船 旦子,小野寺 克彦,遠藤 浩,梅澤 修一,萬里小路 智秀,石丸 正史,松本 耕造,松本 円 |
評議員 | 児玉 惟継,R・ディータース,根道 温子,長谷川 健二,宮田 浩明,橋本 浩史,遠田 滋,小池 那智子,藤本 進 |
監事 | 片倉 昭子,土田 秀行,洪 美樹 |
主な事業内容 |
【1】児童養護施設 日本で唯一の中学校や高等学校に通う子どものみで、就学中心の生活です。高校卒業後を視野に入れ、上級学校に進学する子ども、就職する子ども、社会訓練のため他施設を利用する子ども等、一人ひとりにあった自立支援をおこないます。 【2】自立援助ホーム 義務教育終了後からおおむね19歳までの青少年の就労自立の支援をします。入所するためには、利用者本人の同意で契約を取り交わし、契約時に目標設定を明確にして自立支援を行っています。寮費や日用品代・小遣い等を自分で働いて賄います。また、資格取得や定時制・通信制高校にチャレンジする事も可能です。 |
沿革 -青少年福祉センターのあゆみ
1958年 | 豊島区の四畳半のアパートの一間でスタート |
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1959年 | 新宿区の現在新宿寮がある土地に本部2階建てを移転 (社会福祉法人あけの星会寄贈) |
1961年 | 財団法人として法人認可され、現名称となる |
1964年 | 鉄筋5階建ての新本館・現新宿寮落成 |
1969年 | 「アフターケア問題研究」創刊 |
1970年 | 施設児のための職業訓練事業開始(足立区) |
1971年 | 同校が高等職業訓練校として認可される |
1974年 |
東京都より補助金の給付始まる(年200万) 足立区に少女の施設「清周寮」設立(大林組寄贈) |
1975年 | 「絆なき者たち」出版 |
1981年 | 訓練校の宿舎が社会福祉法人清友会「児童養護施設暁星学園」として認可される |
1982年 | 訓練校が科学技術学園高校と連携、正規の高校に |
1983年 | 暁星学園「ほきまホーム」開設(都型女子6名) |
1984年 | 長谷場夏雄が藍綬褒章を受章 |
1989年 | 「強いられた自立」発刊 |
1997年 |
児童福祉法の改正により新宿寮と清周寮は「児童自立生活援助事業」(自立援助ホーム)として法内施設になる 暁星学園 全面改築 |
2002年 | 訓練校休校 |
2004年 |
暁星学園 ユニットケア開始(本園2階部分) 長谷場夏雄が教育功労賞を受賞 |
2005年 |
自立援助ホーム「おうぎ寮」開設 財団法人青少年福祉センターと社会福祉法人清友会が合併し、新たに社会福祉法人青少年福祉センターとして認可される |
2006年 |
暁星学園「うめだホーム」開設(国型女子6名) 中井児童学園が民間移譲、あけの星学園として運営開始 |
2007年 | 共同生活援助「ノエル」正式な法人事業として開始 |
2009年 |
「かけがえのないあなたへ」発刊 第1回 法人主催成人式開催 あけの星学園「こでまりホーム」開設(都型女子6名) |
2014年 |
暁星学園「みなみホーム」開設(男子6名) 「東京少年友の会」より感謝状を受賞 |
2015年 |
新宿寮を足立区扇に移転し、「長谷場新宿寮」と改称する 暁星学園「うめだホーム」を移転し、「とねりホーム」と改称する 長谷場夏雄が石井十次賞を受賞 |
2016年 | 清周寮・暁星学園ほきまホーム建替え |
書籍のご案内

かけがえのないあなたへ
五十年前、行き場のない戦災孤児がいた。その子ども達のために四畳半のアパートを借りたことからすべては始まった。
本当の意味での高齢児童福祉の夜明けとなった。
長谷場夏雄の子どもに対する熱い思いと青少年福祉センターの50年の思想と実践が一冊の本にまとまっている。
長谷場 夏雄 著
社会福祉法人 青少年福祉センター 編 改訂新版
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